2019/05/15 19:57

普洱茶を飲み慣れてる方は大雪山という名前を聞いたことが有ると思います。
実はこの大雪山、雲南省に4箇所くらい有るようです。
他のところはまだよく分からないのですが、勐庫鎮の大雪山について少し分かったことを記録しておきます。

勐庫鎮は勐庫川とそこに流れ込む細かい川によって削られた急俊な山々でなっています。特に勐庫川を境に東の東半山、西の西半山と分けられます。
大雪山はこの西側の第一の山になります。
この大雪山、普洱茶の産地としても重要ですが、さらには天然記念物クラスのとても古い茶樹が生えており、それが重要なのです。
この茶樹ですが大雪山の山奥に生えており、簡単には見れません。
まず大戸賽(後で出てくる重要産地)を通って管理所まで行き、そこで防火関係の書類を書いてやっと展望台の有るところまで車で行けます。と言っても、M社のPやT社のLCのような荒れ地向きの車でないとここまで行けません。この展望台の地点で海抜2,300mです。
ここから片道5km、標高差400mの山道を徒歩で向かいます。筑波山程度のハイキングです。
この山道を抜けてやっと3本の古茶樹にご対面です。とても太い幹としっかりした根が、真っ直ぐ伸びて高さ20mを越える木を支えています。茶葉からこぼれ降り注ぐ太陽の光が神々しくも感じられます。これら3本は古茶園と謳ってますがそれぞれは離れており、実際に大昔にここで茶が作られていたかは定かでは有りません。
この山道の途中にも3本ほどでは無いですが古い茶樹が点在しています。全て喬木(真っ直ぐな背の高い木)のため茶葉が確認できない状態です。また所々Camellia系の花が落ちていますが、花の色が黄色のものなどSinensisかどうか不明です。
なおこの区域の古茶樹からは、茶は生産されません。天然記念物扱いですね。

さて、普洱茶の産地としての大雪山ですが、非常に良質なお茶が作られます。
大雪山のふもとのお茶が良い理由は、大雪山が日没を早めるためと雲をとどめやすいため、それと急な斜面です。そのため、茶樹はゆっくりとした成長になり、水を求め根を深くしっかりと張り、味わい深いお茶が出来上がるのです。

では、大雪山のお茶を作る村はどこになるのでしょうか。
基本的には大雪山の裾野に有る村のものは名乗っていることも多いようです。
先程の大戸賽、その他三箇村、五箇村、小戸賽、豆腐寨などが大雪山になります。
小戸賽は個別に古い茶樹を持っているため中国でもそのまま小戸賽で売り出して人気を集めていますね。
大戸賽も最近は結構見かけるようになりました。
これらの産地で大戸賽、三箇村、五箇村辺りが2,000mを越えた茶園を持っています。しかし村より高い所の茶園は比較的新しいものが多く、古樹の茶園はそう多くありません。広州、深セン辺りの茶商が競いあうため良いところの頭春茶は非常に高くなります。うちではとても扱えませんし、残念ながら今頃来ても良いのはもう有りません……。

当店は今年は取って置いてもらった小戸賽と豆腐寨を仕入れました。他の産地も有りますがそれはお楽しみということで。
(写真は後で追加します。)